よみもの ワークショップ

リサ・ドノバン教授 特別ワークショップ レポート その1 東京編

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 2019年10月14、15日東京、21、22日大阪それぞれ二日間で「アート×学び」アーツで学ぶ、アーツ・インテグレーションに関するリサ先生特別ワークショップが開催されました。
リサ先生の来日講座は今回で3回目ですが、内容がパワーアップしていて、学びのとらえ方がより広がり深いものとなっていました。その二日間の内容をレポートします。

 リサ先生は、参加者の自己紹介に時間をとります。それぞれがどんな目的で、どんなバックボーンで参加したのかを一人ひとり聞いていきます。東京会場はスタッフもいれると30人近くになるのでかなりの時間がかかります。それでもリサ先生は、

「こうしたワークショップで自己紹介をしてもらうことは、人数によっては時間がかかることがわかっている。それでもこれを行うことによって、コミュニティ全体の学びがより深くなる。はじめにコミュニティをつくっていくとはとても大切なこと」

と言って、丁寧にそれぞれの参加目的や今の思いなどを聞いていきます。

 これは、アートを介在すればなんでもうまくいく。という考え方ではなく、アートを通して学ぶ時に、安全で安心な場をつくることが大切という考えに基づいています。その時に夏休みのワークで私がつくった、トーキングスティックをもちながら話をしていきます。(このトーキングスティックは幼児や大人など対象にいろいろな場で高い効果を感じています。)

 今回の参加者は、教育関係そのものよりも、他のお仕事の方の方が圧倒的に多く、そのためリサ先生は、学びを学校のなかでのものよりもさらに大きくとらえたほうがよいと感じたようです。

 まずはじめは、アーツ・インテグレーションの現状からお話しがありました。アメリカでは学校教育だけでなく、様々な場でアートがもちいられるようになりアーツ・インテグレーションの定義にある「カリキュラムコンテンツ」の部分を「内容」に変えたそうです。確かに今回の内容は「学校教育」だけに焦点を当てたものではなく、学校から離れた大人も含めて「学ぶ」ということが意識されていました。例えば一つのアートを、「会社で起こっている問題の解決に使うこともできる」と広い活用が提案されていました。

 二日間で「ドリーミング」という移民の女性が書いた絵本を、・サウンドスケープ・ダイアローグポエム、ドキュメント作り、タブロー、コラージュ、6語での詩、などの様々なアーツを通して読み解いていきます。

 まずは絵本の一枚を選んでじっくりと何が描かれているのか全員で観察していきます。ドラマやタブロー(静止ポーズ)で移民の女性のポーズをとったり、そこでセリフをいったりすることで、文章だけを読んだ時と何が違うのか実際に参加者は体験していきます。そして、その絵本のテーマである旅を自分自身でも考え、自己発見につなげていきます。

リサ先生いわく、

「アートによって今までと違う共鳴ができる。ただ本を読むとテキストに集中しがち」

とのことですが、ただ文字を読むのとは全く違うアートによる読み方です。

 前回よりもリサ先生のワークがパワーアップしていて、そこに参加者の意欲が合わさり、思いがけずとても深いところまでいく話し合いになっていきました。参加者からの質問も表面的なものではなく、核心をついたものばかりです。

 また、一つ一つのアートのワークは難しいものはなく、とてもシンプルで簡単なのに、いつのまにかすごいものができてしまうのも驚きでした。そして、それぞれのアートワークは独立したものではなく、詩をタブロー(静止ポーズ)にし、それを絵で表してと、一つの主題が様々なアートで表現されていきます。

 アートのもつ可能性を知りたいと、様々な分野から参加された方たちがたくさんいましたが、まさにアートの可能性に浸った二日間でした。

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